※2015年以前に発表された、プレスリリースの内容を掲載しています。

2006.02

カルピス社の飼料添加物「カルスポリン」が世界最大の食肉加工メーカー タイソン・フーズ社で全面採用
抗生物質を使用しない安心・安全な畜産物ニーズが高まるなか、「カルスポリン」による畜産物の生産性向上に注目

 カルピス株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:石渡 總平)が製造・販売している飼料添加物「カルスポリン」(畜産用プロバイオティクス)は、抗生物質の代替品として畜産物の生産性向上が高く評価されており、このたび、世界最大の食肉加工メーカーであるタイソン・フーズ社(本社:米国 アーカンソー州、CEO:John Tyson)のブロイラー飼育用の飼料添加物として3月より全面採用されることになりました。世界最大メーカーの採用により、今後「カルスポリン」の販売量が大幅に増大することが見込まれます。

 タイソン・フーズ社への採用と同時に、すでに事業展開している世界有数の食肉輸出国であるブラジルやタイなどにも積極的に展開し、飼料事業を拡大していきます。

 当社は、今後の「カルスポリン」の需要増に対応するため、群馬工場に新たな製造設備を新設します。

 飼料事業の売上は、本年(06年度)に12億円(前年比200%)を、07年度には20億円を目標にしています。

■ カルピス社の飼料事業
 当社は、『「魅力と価値のある商品や技術」を提供して、〝心とからだの健康〟に役立ち、社会に貢献できる企業グループを目指す』ことを企業理念としています。
 「カルピス」をベースにした乳酸菌研究は、『発酵・酵素利用技術』(バイオジェニクス)から生まれた血圧抑制作用のある「ラクトトリペプチド」やその機能性食品素材ブランド「Ameal Peptide」などを開発し、その研究成果が高く評価されています。
 当社の微生物活用事業(飼料事業)では、長年培った『微生物活用技術』(プロバイオティクス)を飲料・食品以外にも応用し、家畜の腸内フローラの改善を通じて、安全でおいしい畜産物を生産する畜産用生菌剤の開発を1987年より行なっています。すでに、飼料添加物「カルスポリン」や乳酸菌混合飼料「ファインラクト」などを国内外で展開しています。

■ 畜産業界の世界的な動き
 畜産業界では、耐性菌問題を端緒として、抗生物質の使用量を削減した畜産物の対応が迫られており、割高でも安全・安心な畜産物のニーズが高まっています。
 とくに米国では、ファーストフード業界において『成長促進目的としての抗生物質』(以下AGP)を使用しない畜産物の調達が本格化しています。
 また、06年1月よりEUにおいてAGPが全面使用禁止となり、EUはもとより、EUへの食肉輸出国である中国、タイなどのアジア地域やブラジルなどの中南米地域もEUと同様の規制(AGP全面使用禁止)に則らなければならないことから、AGPの代替品が世界的に求められています。
 現在、AGPの代替品として、家畜の腸内フローラを改善することで丈夫な家畜を育成し、AGPを使用しなくとも生産性・安全性を向上することが可能な『生菌剤』が高い注目を集めています。

■ タイソン・フーズ社の全面採用
 このたび、「カルスポリン」の有効性の高さに注目した世界最大の食肉加工メーカーである米国のタイソン・フーズ社が、同社で飼育するブロイラーのAGP代替品として「カルスポリン」を全面採用することを決定しました。タイソン・フーズ社は、すでにAGPを使用せずにブロイラー生産を行なっており、「カルスポリン」をテスト使用したところ生産効率が大幅に向上したため、今回の全面採用に至りました。
 世界最大メーカーの採用により、当社は「カルスポリン」の販売量の増大が見込まれると同時に、今後の米国での展開を加速していきます。

■ 米国以外のエリア展開
 当社は、世界有数の畜産輸出国であり、EUへの主要な輸出国でもあるブラジルやタイをはじめとするアジア地域においても米国と同様に、さらなる事業拡大を目指していきます。またその前提となるEU域内での「カルスポリン」の販売許可を3月末までに取得する予定です。

■ 生産設備の新規投資
 当社は、今後の需要増に対応するため、群馬工場(群馬県館林市)に「カルスポリン」の製造設備を新設し、生産能力を従来の4倍にします。これにより、米国、EU、南米、アジアなどに安定した供給を図ることができます。

■ カルピス社の海外事業の取り組み
 当社は、新3ヵ年中期(05/07)経営計画のなかで『海外事業』のスピーディーな展開を目指しています。現在、「カルピス」ブランドやサプリメントタイプの「Ameal S」(米国)などの飲料・食品事業と、昨年から欧州においてユニリーバ社に供給している「AmealPeptide」の機能性食品素材事業を中心に展開しています。今後、飼料事業は『海外事業』の3つめの柱として積極的な展開を目指します。

【参考】

【カルピス社の概要】
 本  社:東京都渋谷区
 創  業:1917年
 資 本 金:130億5,675万円
 代 表 者:代表取締役社長 石渡 總平
 売 上 高:1,225億円(2004年 連結)
 事業内容:飲料、酒類、食品、飼料添加物の製造販売など
 従業員数:844人(2004年12月末:単体)

【タイソン・フーズ社の概要】
 社  名:タイソン・フーズ
 本  社:米国 アーカンソー州
 創  業:1935年
 代 表 者:CEO:John Tyson
 売 上 高:約3兆円(2004年度)
 事業内容:世界最大の鶏肉、豚肉、牛肉の生肉製造卸売および加工
 従業員数:114,000人

【 「カルスポリン」について】
 「カルスポリン」は、枯草菌の一種である「バチルス・サブチルスC-3102株」を有効成分とし、この「バチルス・サブチルスC-3102株」により、腸内における有用菌の増加、腸内における有害菌(食中毒菌など)の減少、体重の増加、健康体の維持、獣臭(家畜特有の臭い)の削減などが期待されます。
 「カルスポリン」は、1995年に農林水産省により飼料添加物として認可されており、現在、日本以外にも米国、ブラジル、中国、タイ、台湾、韓国などで販売しています。とくに米国では、「カルスポリン」の鶏、豚の成長増進効果やサルモネラ菌などの有害菌抑制効果が高く評価されています。

【カルピス社の技術領域】
 *腸内フローラとは、腸の中にいろいろな菌が存在する状態のことです。(お花畑のイメージ)

「カルスポリン」

「カルスポリン」粉末



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